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今度は、未開の惑星。
未開の惑星(ほし) (上) (F×comics)(松本 次郎)
未開の惑星(ほし) (下) (F×comics)(松本 次郎)
例によって例のごとく、現実とは無関係な場に生きてる青年が主人公。
ただし、今回は、夢想の世界は夢想の世界として比較的はっきり区別をつけてるから(というより、いつものパターンと違って夢想の世界のほうが現実より人間まともで画がでたらめ――なんか朝倉世界一みたいな)、妙にわかりやすい。いっぽうで例によってひねくれてるから、まともな恋人がまともじゃなくなり、まともじゃない恋人がまともになったり。まともに見える人は人でなしで、まともじゃなく見える人がまともとか。
世界は、おおざっぱに遥かミライのドイツ侵攻中の東欧ってとこだが、でちょっとだけ石の花とか想起したりするんだが、なんというか直接石の花というわけではないだろうが、帯の文句も「コロ、ナオミ、クッキー3人の幼なじみ、それぞれの生き様を壮大なスケールで描く渾身の青春大河ドラマ!!」って、うそつけ。しかし、作家本人はもしかしてすごくまじめにそれを作ってるのかも。と思わせて舌を出してるような。いずれにしろ、最後の8ページだけ読めば、至極まっとうな唄い文句どおりの作品ではあるな。
それにしても、突然、自分のために画を書いたあとのシーンは悪くない。
#もしかすると、本気で、帯の文句のような普通に売れそうな作品を描いたつもりなんだろうか。いや、それはないだろう。と思うんだが。ゴダールだって売れるつもりで軽蔑とか作ったみたいだし。
おまけ
普通に秀作。ちょっとドイツ軍将校の書き方にアニメ入ってるなとは感じるけど、そのへんはアニメの文体を作った1人だ(と思う)からそんなもんかも。
追記:帯の文句はやっぱり編集者が付けるんだろうか。にしてもどっちを狙ってるのかわからないことにかわりはないな。
追記:でもやっぱり売れれば幸福だろうから、帯の文句は額面通りなのかも。いや、おいらが年を食ってるから違和感を覚えるだけで今の青春な人達には、これが普通に青春大河ドラマなのかも。このへん19歳な人にまじに訊いてみたいところ。
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