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さて、一番好きなマンガは何かと聞かれたら、そのときの気分に依存するけど、眼力王は間違いなく入ってくる。
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眼力王は、眼力(見つめると熱線が目から出てくるので、いろいろ燃やしたり焦がしたりできる)の持ち主で、その能力を生かして怪盗というビジネスをしている王様だ(若いけど)。オバQみたいに、そのうち、眼力の父とか母とかも出てきたりもするけど。王様といっても、王国があるわけじゃなくて、すげぇ奴の意味の王様だけど。
友達には、音楽王がいる。バイオリンでマーラーを弾くと、聴いた人間は踊りだして無抵抗状態になるから、その特技を生かして怪盗というビジネスをしている王様だ(こういうろくでもないニート達が自分で「王」を自称するってのが笑いを誘うわけだが、最近、「〜王」みたいな自称って見かけないなぁ。たぶん、80年代的な言語感覚――糸井重里とかが主導したやつ――なのかも。知らないだけで、そこらじゅうにいるのかも知れないけど。謎はキングだから違うか)。
で、おれが一番好きなエピソードは、緻密な作業が得意な音楽王が趣味のジグソーパズルを眼力王に自慢すると、眼力王が悔しがって暴れだす。そのため音楽王がまさに作りかけている何万ピースだかの斉藤由貴のジグソーパズルがもろくも元の紙片と帰す。愕然とする音楽王。それを横目にへらへら笑いながら、「直してやるよ」と眼力王がばらばらになった斎藤由貴のジグソーパズルを持ち逃げする話。(家の外まで音楽王が追いかけてくるので、振り向きざまに眼力で音楽王の家をジグソーパズルの形に切り分ける。ぱらぱら分解する音楽王の家をしり目に「音楽王よ、そんなにジグソーパズルが好きなら、それでも作ってろ」と言い放って逃げるような気がする。で、音楽王は悔しがりながらも、嬉々として組み立てるんじゃなかったっけな?)
しかし、当然のように、ずぼらな眼力王にジグソーパズルなんてできるはずもない。
かくして、音楽王が「完成したぜ」という眼力王の電話に呼ばれて見に行くと、そこで見たものはなんと……というのが、愕然とするほどおもしろすぎて、笑い死にしてしまったわけだが、あのおもしろさを理解するには、当時の斉藤由貴の人気っぷりとYMOの露出っぷりとかを知らないと無理かも。いや、今でもときどき、完成したジグソーパズルを思い出しては笑い死んでいたりするわけで、ついさっき突然死んで思い出した。
(やっぱこれかな? 大森一樹のゴダール厨っぷりがプラス方向に働いてるし)
「ノート:慶應義塾大学」というようなのを目にすると、くだらねぇ学校だな、と感じるわけだ(たかだか数人のせいで)。なるほどなぁ。組織のイメージってのは突出したくずな部分で刷り込まれるのかも知れないな。逆もまた真(突出した良い部分で刷り込まれる、知人だと酒井さんとかetoさんとかすごい人たちを知ってるわけだし)かも知れないけど、ネガティブなほうがインパクトがある。
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