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るいもさんとの連載を持たしていただいている、Vol.9が出ました(もっと前から出てると思いますが、諸事情から今日やっと見本版を手に取ることができました)。よろしければお買い上げください。
今回、連載のほうは、るいもさんにお任せして(題材はロギングですが、commonsの暗黒面のあたりを深堀してるので、おもしろい)、特集と書評を書かせていただきました。
今号の特集は、「技術力アップの新常識!」ですが、それはつまり温故知新ですな。
で、私が特集で取り上げたのはフローチャート。
私の年齢を考えれば、フローチャートをバインダーに数冊以上(牛車に三台とか言わないところが奥床しい)書いたことがあるだろうってことは想像できると思いますが、その一方、この10年以上、まったく書いてない(というと嘘になるわけで、原稿ではそのへんの整理も含めてたりするわけですが)のも、また事実。
最初、モジュール、ルーチン、ブロックの粒度感の養成/判定のツールという方向で書こうと考えてたわけですが、雑誌の性格を考えて、もうちょっと大局的な(実装とは離れた)利用価値の説明を半分(こういうのって、「仕事だから書け」じゃなくて、なぜ必要かってことを明文化しておく必要があるだろうと考えたからです)、残り半分は逆にうんと詳細論に分け入って現在の実装との矛盾の指摘(いろいろ思うところがあるので、読者に問いかけて放置)という構成にしました。(念のために書いておくと、ZOOKEEPERの園長の考えに近い理由から、結論は書く必要性を感じなかったということだ。書いてもそれは私のバイアスに過ぎないし、そこを自分で考えられなければ意味がない)
最初の予定だと、はぶさんが以前書かれたり講演されたりした内容とおそらく被る内容になるはずだったのですが、むしろそれより前のところを押さえておく必要性を感じたからというのが理由です。というわけで、はぶさんには同工異曲な記事を書きますとメッセージを送ったにもかかわらず、全然違うものにしてしまいました。
フローチャートはつまり、奥が深く、語ろうと思えばいろいろ語れるのだ。
同じく語ってないことに、UNIXという文化とメインフレームという文化、あるいはワークステーションプログラミングとビジネスプログラミングの差という観点もあるのだけど、雑誌の性格が後者である以上、自明なので無視できるので、それも無し。
一方、書評はお勧めを3冊取り上げて好きなこと書いてよい(ちょっと語弊があるな。実装をテーマにという制約はあった)ということだったので、以下のラインナップ。
UNIXネットワークプログラミング〈Vol.1〉ネットワークAPI:ソケットとXTI(W.リチャード スティーヴンス)
プログラミング言語C 第2版 ANSI規格準拠(B.W. カーニハン)
Binary Hacks ―ハッカー秘伝のテクニック100選(高林 哲)
ハードコアで行こう。
それにしても、UNIX ネットワークプログラミングは高林さんがいいタイミングで「今回の本もほとんどすべてのページに、重要なことが書かれています」と書かれているけれど、まさにその通り。
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