著作一覧 |
ふざけた題だが、原題は「相変わらず美しい」というような感じ。多分。客の入りは4/5という感じ。土曜の最終にしては良いほうかな?
オリヴィエラもついに99歳だが、相変わらず、飄々とした映画を撮る。大したやつだ。
当然、出てくるビュルオジェにしろミシェルピコリ(常連の中の定番みたいな)にしろ、ばあさんじいさんだが、99歳から見ればまだまだ駆け出しなんだろうか。そんなこともないかも知れないけど。ふと思ったが、若いマネージャが年取ったエンジニアと組むことに抵抗を感じるみたいなことをなんかで読んだが、もしそんなことを言い出す映画監督がいたらどうすんだとか。
ドボルザークの第8交響曲で幕が開く。ミシェルピコリが聴いている。隣のおばさんとは無関係なのかな。クラリネット(イングリッシュホルン?)のソロでソリストが強調される。音と絵があってるので、生撮りみたいだ。破綻ない。わりと直情タイプの指揮。バレンボイムみたいだけど違う人(あとで調べたらポルトガルの楽人たちだった)。
ピコリ、左を向くと、金髪の女性に目が止まる。確かに止まる。ビュルオジェだ。黒い服。未亡人。
彼女はピコリに気付かずに黒い車の後部に乗り込み消える。
ピコリは劇場の外で待つ。でも何をだ?
劇場が完全に閉まり、夜の町。歩行者信号の緑(すそが広がったパンツのシルエット。パリってこうなのか?)、赤。クラクションの音。ピコリが赤なのに突っ切る。
(緑から映るということは、当初渡るべきを渡らず、つまり考えにふけっていたか妄想しているかという描写)
モダンな3体のダミーが飾ってあるショーウィンドウ。ピコリがにやにやしながら見る。向いの店。なんちゃらヴァンドーム。オジェが出てきて、車を拾って去る。
ピコリ、店に入る。
ひげの若いバーテン。ウィスキドゥブルサングラス。店の奥のボックス席には2人の娼婦。
と、映像が語りながら話が進む。
昼と夜の区切りは、俯瞰でエッフェル塔がある夜景。いつも変わらない。初回はサーチライト2周分。次からはもっと短い。
高級な店(に見える)。卓に赤いプレゼントを置き、待つ。シャンパン。いや、まだだ。窓から見ている。ずっと見ている。黒い車がやっと来る。
晩餐の始まり。
わたしはこのままシャンパン。
わたしは、ウィスキドゥブルサングラス。空のコップを口元まで運び、テーブルに戻す。ギャルソンがウィスキを注ぐ。
日本人の贈り物と同じものを見つけた。蓋を開ける。ブーンというミツバチのような唸り音。
怒るオジェ。
わたしは昔のわたしではないのよ。
そうか。では私が使うことにしよう。
あなたが?
シーボルトの時代から日本はファニーな国だったのだな、とか思ってみたり。
オジェが去った戸口を左からオンドリが来る。確かにブニュエルにささげられた映画。オンドリ。
置き忘れられた財布のエピソード。金をチップに与える。えんえんと後片付け。すべてが片付く。部屋の隅の金属製の人形のアップ。(途中、ピラミッド広場のジャンヌダルク?の銅像のアップ(馬の顔も)と対をなすようにして終わり。
ジェズイットを見習え |