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日々の破片

著作一覧

2008-10-25

_ 船盛り

念願の北海道の船盛りを食べた。

emoblieもつながるし、とりあえず、安心。

_ 離陸の瞬間

最初に飛行機に乗ったのは、確か小学2年のときで、フレンドシップというような名前のプロペラ機だった。上からの景色はいくつか覚えていて(プロペラ機は雲より下を飛ぶから景色が見えるのだ)、工場の煙突からの煙がまるでそれからしばらくして実物を見ることになる、富士フィルム(だと思うのだが、さらに思い出すと、銀行のおまけの塩ビの貯金箱にあったような気がするが、住友(UFOが結合されたようなやつだと思う)でも三菱(とんがりがりがり)でも三井(四角かったような)、古河(五重の塔)でもなく、と書いていて思い出したが安田のほうの富士かも)のパビリオンから色を抜いたような形状でおもしろかったことを覚えている。

それからしばらくして、確か、中学生のころだと思うがアダルトウルフガイを読んでいて、あまりの恐怖にひきつりながらバックルを握りしめていると、スチュワーデスが恐怖にひきつっていることに気付き、我に返るとバックルが変形している、そのくらい握力がすごいというような描写に出会った。離陸の瞬間が怖いそうだ。

人狼地獄 (角川文庫 (5755))(平井 和正)

(確かブラジルに行くので飛行機に乗るはずだからこれだと思うけどわからない)

そうかなぁ、そんなように感じるほどの衝撃があったかなぁと疑問に思うのだが、全然印象になく、まあ狼男の感じ方だからヘンテコなのだという描写なのだろうと納得していた。

それから10年以上たって、飛行機に乗り、ふと気付くと、ためにためてジェットを吹き出し、どんどん加速して、ある瞬間にバリバリ音をたてながら重力を振り切る瞬間をはっきりと味わった。それまでに何度かあったはずなのだが、そのとき感じた離陸の瞬間には、人類の歴史のすべてがあった。地上を立って歩くことを生き残り戦略として選択した生物が、にもかかわらず、別の選択をした生物を越えようと試みてきた歴史の到達点だ。そのとき以来、離陸の瞬間はもっとも好きな瞬間となった。

それは崇高な瞬間で、人類の叡智のひとつの到達点が、その瞬間に凝縮されている。加速、離陸、高揚。

それから飛行機に乗ることは、その瞬間を味わうことと等しくなった。

人狼は人類に追いやられ、滅ぼされるべく生きている種族なのだから、離陸の瞬間に恐怖を感じるのも無理はない。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]
_ はら (2008-10-27 07:53)

僕も離陸が好きです。僕の場合は、人類全体の欲望が凝集して一気に奔出してしまう感じ。飛び上がった後「あ〜あ、また無茶してもうた。ほどほどにせんといかんな〜」と脱力するのがいいんです。

_ arton (2008-10-27 18:36)

>脱力する<br>ああ、確かに、そんな感じもありますね。


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