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とつぜん、遥か以前、ブレーズのヴァレーズを買ったまま忘れ去っていたことを思い出した。カタカナで書くと韻を踏んでいるところがヴァレーズっぽい。
考えてみれば、スロッピンググリッスルだのキャバレヴォルテールだのと遠回りをしてからもさらに時間がたったが、ヴァレーズこそ今にふさわしい音楽じゃないかと気づく。
いやもう、タイトルからして、イオニゼーションだのデンシティ21.5だのオクタンドルだの。で、オクタンドルってなんだ? 密度21.5とは? スピーカーからイオンの香り。
後で聴き返してみようとメモ。
追記:ウィキ(少なくともここの裏庭のウィキではないようだが)にかいてあったよ! 密度21.5とは白銀のことだ。プラチナのフルートのために書いた作品らしい。
Wikipediaをウィキと略称する人は、Wikipediaというメディアそのものに対して自らの知識/知恵をコンテンツへ還元することはない。
しかし、「ウィキに〜と書いてあった」とオーラルコミュニケーションあるいは限られた範囲へのメールによる伝達によりメディアの存在を公知のものとする役割(=メディア)としては機能する。
という予測。
この予測がもし事実ならば、興味深い点は、書き換え可能な討議の場であるウィキという名前を以って、読み取り専用のメディアとしての機能を称している点にある。
驚いたことに開封もしていなかったので(こないだのiTunesへの取り込み合戦のときに見なかったはずだ)、さっそくリッピングしたものの、画がなくてさびしい。
そこでAmazonの書影を探して(日本語版のはないことは上ので知っているから輸入版のほう)驚いたのは、ブーレーズ(と表記を変えてみたり)はニューヨークやアンサンブランテルコンタンポランとは別にシカゴとも録り直していることだった。
日本語版がなければ想像もできるが、そんなに売れるわけではあるまい。
とすれば、ブーレーズとしては、稼ぎ仕事としてではなく残したくて残しているのだ。
同じように、その時代の最も豊かなものを学びながらもっとも遠く離れたところへ歩を進めた先輩作曲家へのリスペクトがあるのかなぁ。
おれが持っているニューヨーク(CBSバージョン)
Ameriques/Arcana/Deserts/Ionis(Varese, E.)
今見つけたシカゴ(DGMバージョン)
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