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日々の破片

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2009-01-01

_ オペラを考える

オペラってイタリアが有名? と、理由はわからないが子供に訊かれた。

うーん、とちょっと考えてから、そうでもないんじゃないかなぁ。ドイツ(オーストリーを含む)だって、ベートーヴェンのフィデリオというよりもモーツァルトがばかすか書いているし、なんといってもワーグナーとダランベール(と言ってからちょっと怪しいことに気づく。荒地とか:追記:調べても誰のことだかわからないが、誰のことを考えたのかな?)もいるし。いっぽうのイタリアって、ロッシーニのチレンデッラじゃなくてサンドリヨンはフランス語だし、なんだっけな、とにかくシンデレラとかかささぎとか、確かモーツァルトとほぼ同時代人だから、同じころの発生なんじゃないかなぁ。と、考えると、ドイツとイタリアが双璧でほぼ同時期に発生したんじゃなかろうか。と答える。

が、少しして、カストラータとかを思い出して修正を入れる。

でも、待てよ。ペルゴレージとかオペラを書いているな。それに考えてみたらモーツァルトがドイツ人のドイツ人によりドイツ語のオペラを書いたのは魔笛のはずだから、フィガロとかはイタリア語っぽいな、ということはイタリアが本家なのかも、と言い直す。

というか、とさらに考察を続ける。オペラってのは、一生をかけるに値するものらしいから、本気でそれに取り組む人間がいなければならなくて、それがドイツならウェーバーとワグナーで、イタリアだとロッシーニ、ヴェルディ、プッチーニだ。フランスだとビゼーとかマスネーとか小物しかいないなぁ。魅力はあるけど。でも、それより前、クラシック前からあるのは間違いなさそうだ。ペルゴレージよりも前あたり。

どうも、オペラって名前から言ってもイタリアが発祥ぽいな。と、今、答えを変えた。

もし、それが正しければ、それはなぜだろうか? と続ける。

バッハは教会に雇われていて宗教音楽を作りまくる。モーツァルトは王侯貴族に雇われて夕飯用の音楽を作りまくる。魔笛は、劇場用だけど、これは最後だ。ということは、誰が金を払うかが問題みたいだ。

イタリアは当時、どういう時代だったのだろうか? まず、なんちゃら公爵みたいなのはいたかも知れないが、それ以上に、市民が金を握っていたということはないだろうか? ヴェネツィアとか想像するに。

とすれば、市民は、夕飯の音楽はいらないし、宗教の音楽もいらない。いるのは、劇場で楽しめる音楽だ。ということは、オペラだ。

かくして、市民文化が最初に生まれたのがイタリアだから、オペラはイタリアが発祥なのではなかろうか。

と、とりあえずの解を出してみた。

ところでどうして、そういう疑問が出たの? と訊くと、なんか答えてくれたが忘れた。

少なくとも、日本がオペラを輸入したのは明治になってからだ。すると、山の中で猟師が悪魔と取引してどうしたとか、日本の王子がエジプトあたりで大蛇に襲われたら鳥のかっこうした男が出てきてどうしたなんていうわけのわからない世界観の話よりも、近松門左衛門の話なんかと通じるところがある、評判の舞台女優と恋仲に落ちてどうしたみたいな話のほうが受け入れやすいのは当然だから、イタリアから持ってきたのが最初なんじゃないかなぁ。そのあたりも、イタリアが本場という感じを生んでいるのかも。ちなみに、ヴェルディは1900年に死んだと、ベルトリッチの映画で言っていたから、明治32年のことだ。

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と、別の仮説を立ててみる。

でもまあ、と、今になって書いてみながら考えるに、モンテベルディとか忘れてたな。思い出していたら、最初からイタリアが本場とすんなり出てきたのに。

それからしばらくして、小澤征爾が指揮したらしき賢い女狐がテレビでやっていたので(たまたまピーターラビットを見ようとしてつけたら、ちょっと早くて罠を狐たちが囲んでばかにしているところだった)眺めたり。カエルがリアルな着ぐるみというか、それ以上に狐がえらくセクシーな着ぐるみでちょっとどきどきしたりした。

_ オウムはなぜポリーでビスケットちょーだいなのか?

子供に訊かれて、多分ポリネシアから来たからじゃないか? と適当なことを言ってから調べたらPollyとPolynesiaでlの数が違う。ってことは、それは怪しすぎる。

そこで調べ始めたら、同じように疑問に感じている人々を見つける。

スティーブンスンの宝島説はもっともらしく思えたが(ビスケットについてはこれが正しそうに思える)、どうも15世紀の演劇にさかのぼるらしい(が、他にも蒸気船の事故とかいろいろな説がある)。

本日のツッコミ(全5件) [ツッコミを入れる]
_ きむら(K) (2009-01-01 20:33)

モーツアルトのあたりというと、市民というよりはメディチ家<br>とかの富豪?がスポンサーになってたとか。<br>ちょっと時代が下がりすぎ?モーツアルトとマリーアントワネットのエピソード(ガセらしいですが)<br>を考えるとフランス革命(とナポレオン)の直前だし。

_ arton (2009-01-02 01:19)

ペルゴレージ(1710年生まれ)あたりだと、劇場用に音楽を書いているますね(調べた)。劇場の観客ために書くのか、個人の夕飯のために書くのか、それとも教会のために書くのか、によって作品の傾向は変わるということですね。<br>モーツァルトの場合、25歳以降はフリーランサーになったので、劇場用の作品も書くわけですが、シカネーダの劇場はちょっと他の劇場とは毛色が違うように思います。たとえばブルク劇場とか誰が持っていたのかというと、現在国立なので当時のその地の大名(封建領主ということになるのかな)だと思います。<br>という意味では、劇場とは何か、というのが真の命題でしょう。

_ arton (2009-01-02 01:27)

ああ、ちょっと待てよ。市民=近代ブルジョワジーを僕は指しているわけではないです。ローマ市民の市民の意味です。

_ きむら(K) (2009-01-02 01:41)

あ、「市民」についてはそのどちらとも考えていませんでした。<br>#というか気にしていなかった?<br>ちょうど今「海の都の物語」を読んでいるところでしたので、当時の<br>都市国家の住人程度にとらえてました。<br>モーツアルトだとドイツオペラになると思いますが、一応イタリア云々の<br>話がありましたので、イタリアならば〜ということでの話です。<br>Wikipediaのオペラの項に、イタリアオペラとドイツオペラの起源とかがちょっとかかれてますね。<br>オペラという言葉自体はイタリア語が語源?

_ arton (2009-01-02 02:44)

おお、面白そうな本を読んでますね。


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