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日々の破片

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2009-01-23

_ ハードウェアゴルファー

ウォズの本でおもしろいのは、とにかく部品数を減らすことが楽しくてしょうがないらしいことだ。

シュガートのFDDをハックして2週間でアップルIIとインターフェイスできるようにするところ。

まずドライブ自体とそのコントローラーボードをチェックし、どのように動作するものなのかを理解した。

マニュアルを読んだ。そして回路図を検討し、(略)そして、22個ほどあったチップのうち、20個ほどは不要だと判断した。

まったくわからないが、そんなことあるんだろうか? (別のチップに置き換えるとかかなぁ)

DRAMのリフレッシュのところもえらくおもしろい。

テレビを上から下へと、1ラインずつスキャンしていく。アメリカのテレビの場合、ライン1本をスキャンするのに、だいたい65マイクロ秒の時間がかかる(略)このうち、40マイクロ秒くらいは見えるんだけど、残りの25マイクロ秒くらいは見えないことがわかった。

この25マイクロ秒の間、いわゆるリフレッシュ時間といわれる部分に、僕はDRAMのアドレス、16ヶ所を挿入してみた(略)

なんと、選択用チップ2個か、もうあと1〜2個論理チップがあれば、必要なことがすべて実現可能だった。

つまり、マイクロプロセッサーから何サイクルかをくすね、それでDRAMのリフレッシュをすることに成功したわけだ。

で、

シンプルな設計とは、単にチップ数が少ないだけでなく、接続箇所も少ないということなんだ。こうして僕の目標は、少ないチップで設計することから、なるべくボードを小さくすること、ボードの面積を小さくすることに変わった。

この、回路の何かを別のことに使うというのは、大学生の頃のエピソードにもある。

部品の入力に信号を送ると、出力と呼ばれることろから何か結果となる信号が出てくるものだ。でも、チップの内部構造まで熟知していた僕は、入力からも弱い信号が出ていることを知っていた。そこで、ダイヤル信号生成回路の反対側で、この信号をトランジスタアンプに入れ、チップをオンにする電源として供給したんだ。どうだい、驚くだろう? (少なくともエンジニアならわかってくれるはず)。

驚くだろ? と書かれても困ってしまわなくもないが(本人なのか、聞き書きした人が付け加えたのかわからないが、誰も驚かないということがわかっているっぽい()内の但し書きが、うーん、この本全体を支配する微妙な陰翳でもある)、わかった。

あと、ところどころ、細部について異常に明晰に記憶しているところが気に入った。

アップルを創った怪物―もうひとりの創業者、ウォズニアック自伝(スティーブ・ウォズニアック)

これは本当におもしろい本だ。この人がどう考えたかが明らかにされているからだ。あと、やはり、とんでもなく訓練を積んでいるところとか。コンピュータは手に入らない時代に、DECのミニコンの資料を読んで自分で紙に設計しまくるところとか。そうやって、回路を見直して部品数を減らす方法を考えたようだな。


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