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さてほとんど空になった本棚には、後は捨てる本が残るだけだが、買った覚えも読んだ覚えもない本もある(砂の惑星もそうだったが)。
それなりに有名だし、飯がうまそうだとか、文章が闊達であるとか、そのあたりの評判を耳にして買ったのだろうけど。
捨てる前に読むか、と読んでみた。どうも、一度読んだような気もするが、印象に薄い。
というよりも、おれは、これは好きではないな。
確かに、飯はうまそうに感じるところもある。ヌタとか出てくると。それってこちらの記憶を甦らせる記号の使い方ではなかろうか。ってことは、数年のうちに、絶滅するタイプのうまそうさ、というやつだろう。
盗人たちのおはたらきは悪くはないが、これもちょっと違うんでないかいという感じがするのは、ぬるいからだな。いや、どれだけの良い盗賊でも売られれば磔とか獄門だからぬるくはないのに、なんというか危機意識がない。
退屈というほどひどいわけではなく、読めばそれなりに読めるし、それなりに感ずるところもあるが、おもしろくない(つまらなくはない)。ソリテア程度の暇つぶしというところか。あと、女性に対する地の書き方がすごくはなにつく(おれのポリティカルなコレクトネスがねすられて不快になる)。
というわけで、最後まで読んだので、やはり捨てることになる。続きは読まない。
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