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新しいホームズ観て来た。渋谷でレイトショー。それなりに入っていた。
ホームズはなんかチャップリンみたいだなぁと思っていたら、後になってプログラムを観たら、本当にチャップリン役を演じたことがある人だった。
そのての、モダンな感じを出している。
しかも、19世紀末のはずなのに1920年代のギャングっぽいよなぁとか思って観ているわけだが、これもあとになってプログラムを観ると明日に向かって撃てが散々言及されているわけだし。ただ、ちびの黒い心とでかい良いやつという組み合わせはニューシネマよりもジョゼジョバンニやジャックドレとかに近い(が、画はニューシネマ)。
ホームズは、くしゃくしゃ頭でひょうひょうとして(このあたりの原作になんとなく抱く主人公像に対するビジュアルの破壊方法は、ロンググッドバイのエリオットグールドに近い)、しかし阿片を吸いだすとどえらい集中力で(ここの集中描写はスケット団っぽいがまさかそれはあるまい)、戦う前にシミュレーションをしてそのとおりに戦う(シミュレーションの部分はちょっぴり初代ターミネータとかみたいだ)のだが、このあたりの描写もおもしろい。
侏儒の死体はローラっぽく侏儒というモチーフともどもデビッドリンチみたいだ。
というように、観ているとテンポが良いのでそれほどは気にはならないのだが、それでもあそこで観た光景、こちらで観たシーンと、いろいろ映画的な風景が多くて、悪達者な印象が強い。悪くはないのだが。高いところでの死闘、そこで足をすべらせて絞首刑ぶーらぶらとか、八つ裂き光輪が迫ってくるとか、思い出せば出すほど、借り物っぽい。というか、ホームズという題材が借り物だし。つまるところは映画らしい映画なのだろう。
と、思い返してみるとやはり悪い借り物競争ではなく、十分に楽しめる良い作品だった。おもしろかった。
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