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バスタオルを物干し竿にかけていて、突然、思い出した。
ある時点まで、おれはバスタオルのような長方形の布を物干しにかける場合、長辺の真ん中で折って、そこを竿(紐の場合もある)にかけていた。バランスである。
ところが、ある時点から、可能な限り端を折って、そこでかけるように変えた。大体、長辺の11:1あたり。短い方は5センチとか、洗濯バサミでうまく止まる程度だけとする。
この方法は、ロベール・ブレッソンから学んだ。
ラルジャンの中で、洗濯女(か、主人公の母親か忘れたが)がシーツかタオルかそのての長方形の布を干す場面がある。それが、まさに端を折って留める方法だった。
このシーンは、とりわけ印象的なのだが(ブレッソンの映画は、すべての構図、色彩、カットが印象的なのだが、それでも時の流れによって風化する。しかし、そうでないものが多い。たとえば白夜の光り輝く船とか、バスの中でのつぶやきとか、題名忘れたがドミニク・サンダの入浴シーンとか)、特に柄杓が滑るシーンと、洗濯のシーンが忘れられない。
観終わった後、友人に、洗濯ものの留めかたにすごく違和感があると言ったら、相手もそのシーンを覚えていて、フランスではああやって留めるのかな(ということは、相手も、真ん中で留めるという認識だったに違いない)と話し合った。おそらく、と、どちらかが言う。乾きやすさを考えた場合、折られていると当然その分乾きにくいはずだ。なぜなら重なっている面積が多いのだから。特に紐にかけた場合は折りしろがほとんどないからそうだろう。それに対して一枚ぶらーんとした状態がほとんどを占めているラルジャンスタイルであれば乾きやすいのではないか? なんという合理主義。というような結論となった。
折りしろの問題であるならば、物干し竿を利用する場合は、それほど神経質になる必要はないかも知れない。たいてい直径3センチ程度はあるから、それだけ2枚(として数えられる)の布の間に風が通る余地が生じるからだ。
が、なぜかおれは断固としてラルジャンスタイルで生きていくことに決めたのであった。
というわけで、端のほうを折り曲げて留めている。
が、それは本当の洗濯物の干し方を知らないブレッソンが想像で演出したあり得ない情景の可能性も、ゼロではないだろう。というわけで、本場ではどのように干しているのか、いささか興味はある。
ジェズイットを見習え |
毛布など大物を干すときに、ハスにして干すというのはさる方面ではよく知られた干し方ですね。もしくは、平行棒式とか。<br>物干し竿をクリップしてくれるタイプの洗濯ばさみだと、タオルそのものの上から物干し竿をクリップするので、自由自在ですよ。
ハスにする方面ってボーイスカウトとかですか?
あ、ボーイスカウトとかもありそうですね。<br>というか、テレビの情報番組などでもよく扱っているというところなのでした。