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新国立劇場でタンホイザー。
なんか妙に丸っこくてウォズみたいなタンホイザーだなぁと観ているうちに、話の内容までウォズみたいだなぁとか思い始める。
アップルを創った怪物―もうひとりの創業者、ウォズニアック自伝(スティーブ・ウォズニアック)
Apple IIIをあてがっておけばいいやみたいな感じでジョブズから隔離部屋に押し込められているうちに時代が変わりマッキントッシュが主流になっているのも知らずにさらにGSを開発してサイン入れて売り出したり、記憶喪失になったりと、技術の女神と戯れていてふと時代が変わったことに気付きクパチーノの町に飛び出すウォズ。
そこに向うからアップル社員がやってくる。ウォズじゃないですか! どこへ行っていたんですか?
いやちょっとなんというか(まだ記憶喪失が多少残っている)
まあいいから本社へ来てくださいよ! デザインカンパニーとして大復活したんですよ!
はて? デザインとな(と、ウォズ戸惑う)
新しいエレガントな製品がたくさんあるんですよ。
エレガント! それは重要だ(と、ウォズ大いに興味を惹かれてついていく)
そして2幕が始まる。
(ウォズが帰って来たというので製品担当者たちが次々にやってくる)
これを見てください。ボンダイブルーのマックです! とてもおしゃれでUSBなんですよ! ここから復活が始まったんですよ!
おしゃれなにそれ? というかスロットはどこにあるの? 蓋があかないみたいだけど。これ、くずだな。
これを見てください。iPodっていうんですよ! 手持ちのCDが全部入るんですよ。いつでも音楽ですよ!
CDが入るってどんな形式なの? それどうやってファイルとして取り出せばいいの? というかバッテリーが交換できないの? プログラムはどうやってロードすればいいの? これ、くずだな。
これを見てください。新しいiPadはRetinaでCPUは4倍速いんですよ!
これ、どうやってプログラムをロードするの? 直接GPUを操作するためのAPIはどこにあるの? アセンブラが提供されないのはなぜ? というか、OSのソースコードも回路図も付いていないみたいだけど。しかもメモリを増設する方法が書いてないよ? そもそもスロットはどこにあるの? 全然エレガントじゃないよ! これ、くずだな。
これを見てください。iPhoneですよ。電話の常識変えたんですよ。
これ、どうやって外部から電話をかければいいの? Bluetoothしかないの? というか、このコネクタなんだこれゴミだよ。蓋も開かないし、直接ハードウェアを叩くAPIが無いんですけど。これこそくずだな。
ではこれはどうです。新しいMacBookAirは薄くて軽い。でも強くて頼れる。
これも蓋が開かないよ。スロットが無いよ。モニタもついてないよ。ただのくずだよ!
モニタが見えないんですか。たった4.86ミリという薄さに載せたのは、驚くほどの高解像度が付いているじゃないですか!
違う違うよ。モニタってのはそうじゃないよ!
(ついにウォズが歌い出す)お前らみんなテクノロジーの自由を舐めすぎだ。テクノロジーの女神のところへ行け!
なんと、テクノロジーとは! (と居並ぶアップル社員、全員、剣を抜く)ウォズ、デザインの神への反逆者め、追放だ。
いやいや、まだチャンスはある。ジョブズ神のところへ許しを乞いに行くが良い。
なんで僕が許しを乞わなきゃならんのだ?(と、ウォズびっくりするが)まあ貸した金を返してもらいたいし行ってもいいかな。
(3幕)
ウォズ、しょぼくれて途方に暮れている。
どうしたのです、ジョブズ神はなんと言っていましたか?
ビジネスを理解できないテクノロジストは地獄の業火で永遠に焼かれるが良いと言われたよ。訳がわからないよ。
Tannhaeuser/ [DVD] [Import](Wenkoff)
金管がちょっと妙に突っかかるなとか思ったほかは、オーケストラが素晴らしい。
歌手はこれ! という感じではないけど、ヴァルター含めて全員良かったと思う。それだけに2幕の歌合戦が実におもしろくて、こんなにタンホイザーって面白かったっけ? と不思議に感じるくらいに楽しめた。
特にヴォルフラムの人が良くて、一幕最後の登場場面から主役以上に聞かせてくれる。ヴィーナスも印象的。
演出は、特に冒頭が新国立劇場の上下可能な舞台をうまく使っていて、霧の中からにょきにょき何かが生え出してくる(柱になったり森になったり殿堂の壁になったりいろいろ便利っぽくて、影の無い女の柱をちょっと思い出した)のが実に印象的だった。
バレエは女性の髪形がウサギというか初音ミクというかそこばかりが印象的だった(全体に薄暗いところに薄暗い迷彩色のような衣装だが、男女ともにプロポーションを強調していて、それは美しい)。
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