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家にオリーブの樹があるのだが、というか買ったのだが、もちろんそれは多少はアッパスキアロスタミの影響があるのだが、最初の夏にでっかな芋虫に出会って仰天した。
地面に手りゅう弾のようなパイナップルを小型にして縦横に刻み目を入れた黒い塊がたくさん落ちていて、これは何かなと思っていたのだが、ある日、とてつもなく巨大な芋虫がいたのだった。
その芋虫は脱皮の都度倍々になるということをあとで調べて、なるほど止めで倍になったときにはじめてわかるのかと納得したが、それにしてもおっかない。良く見ると周囲は丸坊主になっている。でかいだけにばりばり食うのだ。
さて次の年、これがまったく出ない。その年の春が例の3/11なので一瞬、おお人間様には気付かない何かが原因で虫も活動しないのかと思ったが、そんな馬鹿げたこともあるまいと考え直し、ということは最初の年には小豆島から卵が産みつけられた状態で東京に来たのが孵化したのであって、それが飛び立つ前に叩き潰したから、もう無いということなのだな、と納得した。当然、その翌年もいない。
ところが、その次の夏には出ましたよ。
はて、どういうことなのか? と、知り合いになった蛾の博士に聞くと、あっさりと、ふらふらしているし東京にも普通にいるから来たんでしょと言われた。
なるほど、そういうものなのか。
ということで、あまりに蛾のことを知らないことに気付き、蛾の話を教えてもらうことにした。
で、今を去ること6/25に総勢5人の蛾の話を聞く会が開かれた(博士1人に聞き手4人である)。
(蛾萌え本の監修者)
まあ、昆虫の先生といってもファーブル博士くらいしか知らないので、まず一体どういう学問なのかそれを教えてもらった。
生物学というのは2種類の柱から構成される。1つはメソッド(目的)と、もう1つはマテリアル(材料)。メソッドには遺伝とか発生とか分類とかがある。マテリアルには昆虫とか魚類とかがある。学会にも材料系学会とかある。
(突然、「自己犠牲のFactorに覚悟と命名」という走り書きがここに入っているが、Factorがなんだか忘れたが、遺伝子だろうな。日本人の学者が発見したので、自己犠牲だけに覚悟と命名して、それが国際学会でも用語として通用するようになっているという話のようだ。もちろん覚悟完了だろうなぁ)
覚悟のススメ(1) (少年チャンピオン・コミックス)(山口貴由)
メソッド系。
分類というのは、学名を付けることである。これは記述型学問である。学問が深まると知識が貯まるが、他分野とのインタラクションはない。
クラゲの発光物質の研究:物質自体の研究、薬効の研究(ピアネスとメモしてあるがなんのことだ?)→バイオミメテックス(模倣学、ミミックのことらしい)
バイオミメテックス→たとえば構造を真似て製品化する。
例)フクロウは音をたてずに飛ぶ→尾羽の構造が特殊だからだ→新幹線のパンタグラフとして製品化
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経済活動としての生物学
・生物の保全から利益を得る→途上国の生物には多様性がある→ABS(遺伝子情報へのアクセス)。
その国の生物から得られる知見から得られた知財を元にした製品の利益は、元の国の資源を利用しているのであるから還元すべきであるという考え方。
(日本はリソースを輸出し放題の状態)
蛾の分類、新種の発見。データベースの作成。
都立大学は牧野冨太郎(小学生のころ、「がんばれ土佐っぽ」という紙芝居を見させられたなぁと思い出すのだが、思い出すのは「土佐っぽ」という妙な響きの言葉だけだったり)の標本館があるので、植物、動物の分類のメッカ。
南西諸島から台湾の蛾。
DNAを使って名前を調べる→DNAを利用しての同定というのは、完全に一致するわけではない(「グラデュアルに違う」)。ライブラリの整備によってDNAを使って名前を調べることが可能となる。違う種と考えていたのが同じ種ということは良くわる。
節足動物。カブトガニ、三葉虫、蜘蛛、ダニ、サソリ、ムカデ・ヤスデ(多足類)、昆虫(脚6本、頭胸腹)。
蝶や蛾はトビケラから進化。
蛾は日本で知られているのが6000種。25年前は4800種だった。おそらく8000種は存在すると推測している。
一方、蝶は250種。
蝶と蛾の違いはFAQの1つ。
シャクガモドキ、セセリ→腹が太い蝶
蛾は耳を持つ→夜間飛行→コウモリを識別するためだろう
蝶の学名「ロパロケラ」→棍棒状(の角)。しかしシャクガモドキはフサフサ。
一方、蛾の学名は「ヘテロケラ」(ヘテロなのでフサフサ)
蝶は派手→昼間飛ぶ。触角が棍棒状→飛びやすい
蛾はメスがフェロモンを出す。触角ふさふさで感じ取る(嗅覚を持つのは雄のみ)
蝶はたった250種しかいないのですべて覚えれば区別がつく。(専門家の意見だ!)
・夾竹桃や馬酔木を蛾が食べ、その蛾をヤモリが食べて死ぬ(なぜここにメモしてあるんだ?)
分類学史の本はおもしろいので読め。
自然を名づける―なぜ生物分類では直感と科学が衝突するのか(キャロル・キサク・ヨーン)
美しいでっかい青い蛾が何かというのはFAQの1つ:オオミズオアオ。ヤママユガ(天蚕の仲間)
蛾の幼虫の特徴。|| || ||のようになっている。尺取用。一方ハバチの幼虫の脚は||||||となっている。
成虫の渦巻き状の口は脚2本がくっついたもの→長いと飛びながら蜜を吸える。
ストロー状の口が無いコガネガ→白亜紀から。白亜紀には種子植物がまだ存在しないので、シダの胞子を食べる→ストロー状の口を持つ意味がない。アゴがある←(すごくおもしろい!)追記:白亜紀後期には被子植物が登場して虫媒するようになったので、それより前の時期のことだと思う。
オオミズアオ→口が無い
幼虫期は高山で2~3年、アラスカでは7~13年?と長い。
低温に強い。グリセリン濃度が高くて不凍液(サナギの話か?)。
サナギの中では幼虫は溶ける。しかし消化管、神経、?管は解けずに残っていて成虫に持ち越される)。
サナギをCTスキャンした研究がある。(ビデオ鑑賞。なぜか最後の段階を見せない)
(これかな?)
Researchers use CT scanners to watch living pupae develop into butterflies inside chrysalis
(こんなものもあった。)
(最初は鳥の卵みたいだが、途中から蛹が出てくる)
最近の図鑑は白バックの写真が流行している。
(メモ取らずに見ていたのでどの図鑑(というか出版社か)わからない)
(このあたりかな? それにしても、アマゾン評を見ると、いかに幼虫を好きな人がいるのかちょっと驚き)
日本動物分類学会にはなんでもある(というメモが最後に書いてあるけど、なんのことかわからん)
おまけ
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