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「サブカルの巨人」へ始動という記事が日経に出たとき、その「サブカルの巨人」はあるジャンルを捨てた。
よーく考えてみると、いや考えなくても、プログラミング、コンピュータサイエンスといったジャンルは、これまでサブカルであった。それを表現する言葉がハック、ハッカー、ハッキングで、自分たちのことやその行動の最も先鋭的なところをわざわざ乱暴な言葉(ぶった切る、ぶった切り野郎、ぶった切りんこ)で表現してしまう韜晦がいかにもサブカル的でもあった。
ハッカーズ大辞典 (Ascii books)(レイモンド,エリック)
その韜晦が、メインカルチャーにはわからぬ。メインカルチャーは50年以上歴史がある文化しか認めぬ、ことからごく一部の黒い帽子の意味として受け止められるというおまけがついたが、それはどうでも良い。
が、ふと気づくととっくに50年以上たってしまっていたのだった。誰もがヒッピー崩れのオルタナ野郎が磨いたデバイスを買うようになってしまった。植字工アルバイトのジョバンニのように誰かがエクセルに書いたものからJavaのソースコードを拾い出す虫めがね君の仕事になってしまった。
それはサブカルではない。
そういうことなのだろう。
というわけでほぼ最後の書籍となった、Linuxのブートプロセスのソースコード解説本を読んで、メインカルチャーへと昇天した1つのサブカルチャーの冥福を祈ろう。
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