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恒例のWEB+DB PRESS総集編だが(記事書いたことがあるから頂けるのだが、実にありがたいことだ)、今回からGihyo Digital Publishingのマイページに届くようになっていて、WEB+DBがWEB+DBになったなぁと感じたりする。
内容は、本誌に相当するPDF(主な内容は目次と後述)と3.8G近くあるDVDで、いつDVDの4.2Gに到達するかがある意味楽しみな状況だが、それより前にDVD-ROMの次のストレージが来るのだろうか? そんなものは無くてオンラインストレージが当然になってしまうのだろうか、とは言えオフラインで読めるというのも重要な気はするし(閉鎖環境での開発ってのはあるからね)、でも閉鎖環境での人間による開発というのが無くなってしまえば(たとえば、閉鎖環境で開発可能な程度のプログラムはボットに任せられるとか)それで良い気もするし、先のことはわからないからおもしろい。
で、本体(DVDが本体か冊子が本体かは微妙ではあるけれど)の特別書下ろし「Web技術の過去と現在、そしてこれから」がコンパクトでおもしろい。
おもしろいのは、何がついに語られなくなったか、というところだ。
たとえばフロントエンド技術だと、HTML、JavaScript、Ajax、jQuery、Backbone.js(再来年には語られなくなるだろう)...となっていて、もうColdFusionは当然としてFlexすら出て来ない。Curlも出て来ない。CSSとJavaScriptフレームワークでいっぱいなのだ。良い時代だ。
貧弱な実環境+高邁な理想の標準 → 非実用的
貧弱な実環境+賢い実装(非標準)→ 実用的
となるところまでは良いのだが、ここで賢い実装が賢ければ賢いほど自分で自分のクビを絞める。というのは、バックに高邁な理想が隠れていることが見えるからだ。
しかも賢い実装のために、みんなが使いデファクトスタンダード化する。すると、何が変化するか?
快適な実環境+賢い実装(事実標準)→ 過度に実用的
そこでふと皆気付く。今の実環境であれば、あの高邁な理想が実現できるのではなかろうか? そしてそれが達成されていることに気付く。
快適な実環境+高邁な理想の標準 → 実用的
そのころには、賢い実装もそこら中に経年劣化が目立ってくる。そして、非標準な事実標準から真の標準へのシフトが起きる。
とはいっても、OODBは高邁な理想のような気がするが、そうではなく単なる徒花だったようだ。それにしてもRDBは強いなぁ。シンプルで強力なモデルが下にあるといくらでも長生きできるということなのだろうか。
WEB+DB PRESS総集編[Vol.1~84] (WEB+DB PRESS plus)(WEB+DB PRESS編集部)
レガシーが残っているということは良いことでもある。が、そのレガシーをレガシーと正しく認識できなければただの生ごみ発酵中だ。
というわけで、Vol.1のJSPやiモード用Webサイト構築術とか読みながら、Webの約14年間を振り返って、そうか、今のWEB+DB PRESSはまさに中二病真っ盛りなのかと感じ入るのであった。
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