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アマゾンアフィリエイトのリストを見ていたら、誰かがスピリットサークルというマンガの5巻を買っているのを見つけた。なんだそれ?
で考える。5巻まで出ているし(それなりに連載が続いているわけだし)、それを買っている人(しかも少なくともおれのところを踏んでいく人)がいるってことは、結構おもしろいんじゃなかろうか?
でも、アマゾンのページの書影を見るとなんかぱっとしない。
スピリットサークル 5巻 (ヤングキングコミックス)(水上悟志)
絵柄が子供っぽいしなぁ。サークルってサークル漫画かなぁとか考えると今一つな感じもする(なんか小学校とか中学校のオカルトサークルみたいな名前じゃん)。
と思ったが、食わず嫌いは損なのでtwitterとかで聞いてみたらkarinoさんやshachiさんが反応してくれて面白いと教えてくれた。彼らが面白いと言うなら面白いに相違ない。
手のひらの露 1 (星海社FICTIONS)(shachi)
(shachiさん、作家デビューおめでとうございます)
で、まとめ買いして読みはじめたが、こりゃすげぇや。全然知らない名前のマンガ家だったけど危うくこんなすごい作品を見逃すところだった。
というわけでおれのアフィリエイトを踏んで買ってくれた人には心から感謝する(難癖をつけるなら、おそらく次巻で完結なんだからそのときにしてくれれば良かったのに。早く続きを読みたいぜ)。
絵柄は少年マンガの王道路線で、舞台は普通の中学校、14歳の仲良し5人組(男3人女2人)のクラスに謎めいた転校生がやって来る。幽霊を連れて。
なんだこれ? と読み進めると、あれよあれよというまに輪廻転生の旅に主人公が巻き込まれて、アステカ風の王国やら中世ヨーロッパやら古代エジプトらしきところやらに飛び込んでいろいろな人生を体験する。
これがいちいちうまくて、適度にゆるいギャグ(スフィンクスのところはゆるいどころか大爆笑ものだけど)を交えながら泣かせる泣かせる、親子愛(これが大抵は親のパターンで、主人公の性別からか父と娘になるのが計算高いというかなんというかこちらの壺をぐいぐい押しまくる)あれば友情あり恋愛あり夫婦愛あり師弟愛あり孤独もあれば苦痛もあり短いようでも人生は長い、それをいちいちかっちりと描いて、むちゃくちゃに殺伐としたものを背景にするだけに感情をうまく揺さぶるのだ。
そのくせ絵柄と表現は少年マンガの枠組にぴたりと収めてあるのがうますぎる。少年マンガの14歳の男の子が主人公だから平然と泣きまくるから、思わず貰い泣きしやすいんだなこれが。
というわけで小中学生に読ませたい本ナンバー1みたいな内容であると同時に親の世代が読むべき作品みたいになっていて(泣きながらそういう分析もするのが読書スタイルなのでしょうがない)舌を巻きまくる。
表紙が5巻でいきなり黒になり、話もアップテンポになってそれまでの重厚な歴史路線からちょっと軽い挿話風の転生を挟み(読める伏字のセリフをHGウェルズ型とロズウェル型の宇宙人が延々と会話するところがあって、もしかしたらちゃんと読むべきかも知れないが面倒だからそこは飛ばしてしまった)いよいよ最後の大詰めの人生もクライマックスとなったところで、次巻へ続く。
えらく次が楽しみだ。
スピリットサークル (1) (ヤングキングコミックス)(水上悟志)
(読むなら1巻からでなければならない)
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よいきっかけになれたようでよかったですw
thx!