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何度目かの白い箱の中のフィガロ。
これは素晴らしかった。序曲のテンポが実に快調(トリンクス)、フィガロは朗々ったる歌いっぷり(パルカという人)、スザンヌの中村恵理、アルヴァーヴァのスパニョーリ、ロジーナのミコライ、いずれも良い。
それにしても今まで気づかなかったが、6重唱のドン・クルツィオ(糸賀修平という人)が実に良い。うまいタイミングできれいな声でくだらない喚き声(内容は)が入るのが抜群におもしろい。こんなにおもしろい曲だったとは(今回の演奏のせいなのか、指揮なのか、歌手なのかはわからないが、おそらくすべてなのだろう)。
観終わって、モーツァルトの作品とは思えぬ満足感を得たが、ここのところの新国立劇場の作品はどれもこれも素晴らしい。これは飯守芸術監督の功績なんだろうか? というか、そうとしか考えにくい。どの作品もテンポが良く、キレがあり、しかもその作品のおもしろさが良くわかる。全体としてどういう傾向でいくのか決める立場の人間なのだから、色が出ないはずはないだろう。
なんかワーグナーを振る(ワーグナーをかければ彼らが来るので興行収益が上がる)ために選出されたのかと思っていたが、それはそれとしても監督として素晴らしい業績を残していると思う。
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