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昨日、栃木でばかが往く(「ばか」なのか「バカ」なのか「馬鹿」なのかどうだかもう忘れてしまった)のK水(……なんかどこかの中国マンガで見たような名前だな)さんと話をしていて、おれのオペラ好きのことになった。
で、越水さんが、でも話の内容は知っているんだよね? と異なことを聞く。
当然知りまくっているよ。と答えると、どうも怪訝そうだ。
ああ、そうか。
オペラの楽しみは、話の筋ではなく、指揮者がどう解釈し、演出家がどう解釈し、歌手がどう解釈し(あるいは解釈を通訳し)かつ技術を披露し、オーケストラが演奏するのが本質であって、話はどうでも良い。
それは映画と同じで、物語は飽きさせないためのグルーに過ぎず、どう演出するか、どう構成するか、どう音を入れるか、といったことと同じで、と説明しようとしたが、多分、これは通じない可能性が高いな、と考えてみた。
そこで次のように例えてみる。
つまり、それはFizzBuzzのコードを愛でるようなものだ。
バグがないのが前提だから、./fizzbuzzと打てば、1 2 Fizz 4 Buzz……とコンソールに表示されるのは当たり前で、それはまったくどうでも良い。物語はそれに相当する。もしかすると、14 Fizz 16 と出力されるかも知れない。作ったやつが素人なら、クソ、ゴミ、星無しの一言だが、名人の出力がそうならば、何か秘密があるのではないかと考察のネタになる。
それはそれとして、重要なのは、どんな言語を選択したかとか、どういう条件判断をしたか、とか短いのか長いのか、設計に味わいがあるかとか、そこじゃん。
そういうこと。
本当の楽しみは、本当に味わうべきは、本当におもしろいのは、いつだってメタなところだ。物語は地上にあり、音楽は天空にあるのだ。
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