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パパタナシュが最初、特にセンプレリベラの出だしが気になったのだが、今ひとつ指揮者と息が合わないのか妙に小さく産んで大きく育てるみたいな歌いっぷりで、なんだかなぁみたいなところはあったのだが、2幕になると一転、すばらしい。アルフレードのチェネスという人も、乾杯の歌とかはまあこんなものかなと思って観ていると、2幕が始まって嬉しい嬉しいから、ズンタタタッタ経由のこの恥辱晴らさでおくべきかでは、おお、良い歌手じゃんとほれぼれする。というか、ジェルモンの須藤という人も良いジェルモンの代表みたいでおれは好きだ。パパタナシュも本当に良い。最後のたかだか2フレーズの絶唱も抜群。
というわけで2幕(1幕2場かな?)になって、とても気に入る。
休憩挟んで2幕2場になると、特にヴィオレッタの悲痛な心の叫びの部分が極度にテンポを落とすのだが、指揮と合わせて実に良い。
というまま3幕に入って。手紙の朗読の声含めて抜群のまま終わった。とても良かった。
それにしても、イルトロヴァトーレみたいな曲だなとあらためて感じたのは、特にアルフレードのこの恥辱晴らさでおくべきかがまるでマンリーコの復讐の炎は地獄のように燃え盛りみたいだし、フローラの館(かな)の演目のジプシーの花占いから闘牛士のジプシー風スペインがこれまたイルトロヴァトーレみたいだからだ。スケッチで書き散らかした曲の再利用ってことはないのかなぁ。
今年度は新制作が多い分、海外からの歌手を2人に抑えて旧作の客が呼べる演目という選択なのだろうが、まったく良いものを観られた。大野監督ってビジネスセンスがあるようだ。
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