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7日から緊急事態宣言が発令されて映画を観るのも見納めと、日比谷TOHOでジム・ジャームッシュのデッド・ドント・ダイを観に行く。
頭の中にはThe Dead Don't Dieとしか無かったために、やたらとスクリーンがある日比谷TOHOの2つに分かれたどちらの劇場か迷いに迷う。良くみたらカタカナだった。世のカタカナ力はすごいな。
チケット発券機で席を選ぼうとしたら半分以上埋まっているので驚いて良く見たら、これが噂の市松模様かと納得して、さあ発券となったら、今度は2枚中1枚を発券中と出てびびる。1枚で十分ですよ。窓口で払い戻しとかできるのかな? それにしても押し間違えた覚えはないのだがとか考えていたら2枚目はクレジット領収書だった。わかりにくいな、おい。
暢気なカントリー調の死人は死なないのテーマに乗ってビル・マーレイとアダム・ドライバーの警官がパトカーに乗って登場。山に暮らすボブが鶏を盗んだと通報があったのだ。ボブはトム・ウェイツなのか。年を取り過ぎていて誰だか最後にクレジットを見るまでわからなかった。わけのわからない町外れに潜むボブってツインピークスじゃないよな?
ビル・マーレイと通報した農場主にはわだかまりがあるらしく、ボブが発砲してきたのでアダム・ドライバーが撃ち返そうとするのを止めて警告だけして山を下りる。
パトカーは町を巡回して署へ戻る。モーテル1軒、ガソリンスタンド1軒、鑑別所1所、葬儀屋1軒、カフェレストラン1軒の小さな町だ。夜の8時30分だが外は明るい。ビル・マーレイが今何時だ? と聞く。アダム・ドライバーがスマホを見ると止まっている。充電してきたのにおかしいな? いずれにしてもサマータイムのせいで時間感覚がむちゃくちゃだ。
カフェでは、トランプ主義のモットーを書いた帽子をかぶった農場主が、カウンターで黒人の雑貨屋と並んで食事をとっている。
コーヒーのテイクアウトするかと聞かれて、黒過ぎるからいらんと吐き捨ててから横の黒人に気づいて、いや、濃過ぎるっていう意味だとブツブツ言って去る。
むちゃくちゃ映画でおもしろい。
カフェの女店主は、給仕と葬儀屋の新しい主人について話す。ゼルダという名前で、給仕がわたしゼルダという名前は好きよ。なぜ? フィッツジェラルドの奥さんの名前じゃない。それ誰? 華麗なるギャツビー素敵だった。何それ? ロバートレッドフォード。首をふる(なんかよくわからないがこの後も教養がない人として描写されまくるではなく、教養のない人としての描写の止めがゼルダだったかも)
ガソリンスタンドにはひ弱なメガネ口髭がいる。トラックが止まりRZA降りて来てSF雑誌か何かを置いて帰る。
警察署にはクロエ・セヴェニーが待っている。警察官は3人いるらしい。奥の部屋には不慮の死を遂げた老婆の死体が横たわっている。安いシャルドネを飲んで死んだらしい。
ラジオからは地軸の歪みと、その原因らしき極地開発について、大統領と開発企業が、極地開発の必要性と無害さについて話している。
そして夜になり、2つの死体が墓から出てくる。イギーポップとサラ・ドライバーだ(これもおれには初見ではわからなかった)。死体は、カフェを襲い、女店主と女給を食い殺し、コーヒーと叫びながらコーヒーを次々と飲んではカップを取り落とし(割れる)、最後はジャグを持って立ち去る。
カフェの前に雑貨店主が立っている。ビル・マーレイが店の中に入り、死体を見て憮然として雑貨店主の隣に立つ。雑貨店主が言う。あれは野獣が何頭かで襲ったのか? ビル・マーレイは違うと思うと答える。
赤い妙に小さな二人乗りの車に乗ってアダム・ドライバーがやって来る。
店の中に入り、死体を見て憮然としてビルマーレイの隣に立つ。アダム・ドライバーが言う。あれは野獣が何頭かで襲ったのか? 雑貨店主がおれもそれを言ったと言う。
プリウスに乗ってクロエ・セヴェニーがやって来る。
店の中に入ろうとするがビルマーレイに止められる。しかし入る。死体を見て憮然としてアダム・ドライバーの隣に立つ。クロエ・セヴェニーが言う。あれは野獣が何頭かで襲ったのか?
クロエ・セヴェニーに群衆(2人だか3人だか)の整理を頼んで、ビルマーレイとアダム・ドライバーがパトカーに乗りパトロールに行くのだったかな?
暢気なカントリー調の死体は死なないが流れる。その曲はなんだ? とビルマーレイ、テーマだ、とアダム・ドライバー。(このメタ会話は、最後に墓地へ向かうシーンでも行われるが、蛇足に感じた)
一体何が起きたのだろうかとビル・マーレイ、ゾンビだとアダム・ドライバー。墓地へ行くと死体が出てきた穴にビル・マーレイが落ちる。
鑑別所には少なくとも5人収容されている。うち、少女2人と仲良しで物知りのジェロニモという名前の少年が主な主役として活躍する。この3人は隠れ家に無事たどり着くことができたかどうかは明かされない。
一方、葬儀屋のスコットランド人だか異邦人だか謎の人扱いされているゼルダが白い道場着で、金の仏像の前で日本刀の素振りをしている。
その後、死化粧している最中に動き出した死体の首を刎ねる。彼女はばんばん日本刀で首を刎ねまくる。最後墓場で帰って行く。彼女のシーンはどれも抜群におもしろい。
ゼルダがアダム・ドライバーの車のキーを受け取るときに、キーホルダーがスターウォーズなのに気づく。スターウォーズね。アダム・ドライバーが、ああそうだ、と答える。
パトカーの中でゾンビに囲まれる。クロエ・セヴェニーは祖母に呼ばれてついに外に出てしまい食べられる。
アダム・ドライバーとビルマーレイは、高倉健と若山富三郎か、アーネストボーグナインとウィリアムホールデンのように、ついにパトカーから出て死地へ赴く。
トム・ウェイツがもっともらしい物質主義批判のセリフを棒読みする。
終わって外に出たらゾンビで町はいっぱいだったが、生きて歩いている人間は少なかった。
・アダム・ドライバーは名優だ。
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