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時間が微妙に空いたので、前橋箕郷線をいつもは左(高崎)か右(箕輪城がある)に曲がる道(高崎東吾妻線)を直進して鳴沢湖に行ってみた。
途中、テラコッタ色のきれいな古い建物が出て来て、看板を見ると共愛タクシーというタクシー会社で、そういえば、このあたりは鉄道はないし、バスも少ないし、自家用車がなければタクシーがなければ閉域だなと考える。それにしても、全体、この一帯の建物は美しい。
それなりに巨大な集落(子供がたくさん歩いているのだから全く限界集落や過疎という感じはない)で、箕輪城のような文化財をまともに管理していて、箕郷いずみこども園のような美しい建築物を新規に作れるのだから、歴史的にも豊かな地域なのだろうが、一方鉄道網から完全に外れているから、不可解な印象を受ける。
不可解な印象を持つのは、鉄道に沿って住宅地が作られた経緯が丸見えの東京人の視点だからだろう。
それにしても、元は何が産業のコアとしてこの一帯の豊かさを支えていたのか、と不思議になる。普通に考えればそれは養蚕なのだが、鉄道が無いんだよな。
そこで、妙に細い川のくせに「一級河川」となっている川が何筋か高崎へ向かっているのが当時の搬送路だったのかなと考える。どうでも良いがグーグルマップは河川名の日本語表記が省略されているのはなぜだろう?(日本における河川の重要性を知らないからかなぁ)
そうこうするうちに鳴沢湖に到着。釣り人用の駐車場があるので、公共の無料駐車場だろうと踏んでそこに停めて下りた。
鳴沢という名前は由緒がそれなりにありそうだが、昭和に作られた灌漑用水用の人造湖で、今はワカサギ釣り用になっている(用水としても利用されているはず)と看板を読んで知った。結構な頻度でおもしろそうなことが書いてありそうな看板があるのだが、残念、全部褪色していてほぼ読めない。あまり観光熱心ではないな。
1周2.6kmの遊歩道があるので、時間潰しにちょうどよいので歩いてみた。
島(掘り返した土を盛り上げた雰囲気濃厚)は岸辺に神社があるように見えたがそこへは行けず、栗の実が落ちまくっている道を歩く。上から落ちてきたら怖すぎるが、落ち切っているようだ。栗の木は見た覚えがあるが、よくわからん。農業用の低木状態の林だったからかも。背の高いわりと樹皮がつるつるの木がそれかなぁ。中身はおそらく散歩する近所の人が拾って帰っているようにみえる(婆さん1人、老夫婦の、2組とすれ違った。老夫婦によると春が良いらしい。梅もそうだが、竹の子が取れるとかで、なるほどところどころに竹林もある。)。
全体として、湖畔には針葉樹もあるが、広葉樹林で、いかにも近年の成果を取り入れた造りになっている。広葉樹林は、見た目の姿かたちもばらばらだし、落ち葉やら実やらいろいろ落ちているし、おもしろいは抜群におもしろい。
半島と書かれたあたりの真ん中に奇妙な洋館が聳え立っていて、妻はホテルかレストランだろうと言ったが、どうも調べると何も出てこないということは、ふつうに個人の別荘のようだ。優雅なやつだな。
水鳥が着水するや、ケーヘヘヘヘヘヘと笑い声をたてて、なんだろうと思ったが、看板の鳴沢湖の鳥たちを見ると、正直違いがわからない~サギが5種類くらいいる。いずれにしてもサギ氏の笑い声ではあるようだ。尾の長い小鳥がツーイツーイときれいな声で鳴く。鴨がやたらとたくさんゴロゴロしている。
西側の道路際の低木には、順番にでっかな蜘蛛が巣を作っている。赤いのや黄色いのや緑がかったやつとかいろいろ。同じ種類のバリエーションか、違う種類かわからんが、それぞれが道路に面してでっかな巣を重ならないように懸けているので、商店街のショーウインドーのようでもある。おもしろい。
想像よりはるかに楽しめた。
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