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FBでイタリア文化センター(かな?)がイタリアで人気の絵本だか児童文学だかが映画になって日本にも来るよとアナウンスしていたので楽しみにしていたら武蔵野館にかかったので観に行った。
意外なことにイタリアの映画ではなく仏伊合作で言語もフランス語だった。
物語は親子(実子かどうかはわからんけど)の旅芸人が雨宿りに入った洞窟で大きなクマに聞かせるクマ王国がシチリアを征服するまでの物語と、熊が親子に語る征服したクマ王国が山に帰るまでの物語の2部構成となっている。そのときは、翌日に2部構成のおとぎ話を再度見ることになるとは考えもしなかった。
なんといっても見どころはシチリアを支配する伯爵の軍隊とクマ軍団の対峙シーン(まるで角川春樹の天と地をのようだ)、クマ軍団が雪玉で伯爵の軍隊を潰すところ、トロールが変身したネコとクマ軍団の戦闘、問答無用で話し合い(というよりもネコを退治した報告)に来たクマの王様を射撃したことで始まるクマ軍団と兵隊の戦闘と同時に行われているサーカスの舞台の映像ということなのだと思う。特に後者はダンボのピンクの象のような幻想的な(しかし妙に対称性がある原色の使い方のため万華鏡のようでもある(が実際にはそうではない))シーンかも知れない。
人間には恐怖の幽霊がクマには旧交を温めるためのとても良いことであったりするのは話としてうまくできている。
とにかく立体感がある描き方なので2部で王様の腹心が作らせる巨大な銅像や灯台が美しい。
それはそれとして王様になって息子の教育のためにからくり仕掛けで鮭を放流して摑み取りするところとか、魔法使いの窮余の策で深海から呼び寄せた海蛇の報を聞くや「クマの出番だ」と大喜びで戦闘に行くクマ王様が好きだ。
シチリアを征服したクマ王国の物語 (福音館文庫 物語)(ディーノ・ブッツァーティ)
(原作もきっとおもしろいのだろう)
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