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国立能楽堂で能楽教室(というような名前の初心者向けの公演)に行く。
最初に金春流(こんぱるりゅうと読むらしい)の人が演目や舞台についての解説。
屋内に能楽堂があるわけで、柱が観劇の邪魔になる(そのため斜めの席はあまり良くないとブックオフィスで言われた)のだが、なぜ国技館みたいに屋根を吊り下げるだけにしないのかと思ったら、柱についての説明があった。
能面を被ると視界が非常に狭くなる。柱は見えるのでそれを目安に動く。
なるほど、実用的な意味があるのだな。
羽衣での仕草についての説明。遠眼鏡ではないが額のあたりに手をやる仕草は涙を袖で抑える仕草で悲しみ(ではない言葉を使っていたが残念ながら忘れた)を示す。
最初は狂言で伯母ヶ酒という伯母が営む酒屋に行って只酒を飲む話。
最初はやたらとだらだらした舞台だなぁと観ていたが、だんだん酔いが回って来ると見てるな見てるなと伯母を脅す間隔が短くなっていっておもしろいではないか。
次は羽衣。無理矢理隠して女房にするが大掃除のときに見つかって逃げられる話ではなく、白龍という爺さんが宝物だから天子様に献上するというようなことを言いだすと天女が悲しくなってしまい(ここで最初の説明の仕草が入るわけだが、教えてもらわなければわからないなぁ。でももう覚えたぞ)、つい白龍もほだされて舞を見せれば返すと言い出す。天女は羽衣がなければ舞えないというと、先に渡すと舞わずに逃げるのだろうと白龍。何を言うか、天の世界は人間とは違って偽り事はないとぴしゃりと言われて、恥ずかしなくって羽衣を渡す。天女は舞いながら天上に帰る。
人間と違って偽り事は無いというのは御伽草子でも他人の女房を欲しがるとはさすが盗人国の盗人天子だと天上人に呆れられるところといかにも同時代の作品らしい。後白河法皇あたりの記憶も新しい時代ならではだ。
相当楽しめた。
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