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シベリウスピアノアルバム 全音ピアノライブラリー(舘野 泉)
ライナー読んでたら皇后が弾いたとか書いてあるからそんなに難しくないんだろうとヤマハに寄って楽譜を買った。舘野泉が妙に細かく解説を書いていてなんか得した気にもなるし、ああ、これなら弾けるねというのも嬉しかったり。でも楽譜屋に行くとなんか脱力するのは楽譜出版って本当に儲からないのか著作権が切れると印刷するんだよね。たとえばスクリアビンは1915年に死んだから著作権が切れたのが+75して1990年。今じゃ全音あたりも出版してるが僕が本当に欲しかった(弾けないけど読めるわけで)時には無かった。
なんかCDの癖に針音がするような気がするしC#がDに聴こえる(PCでしか聴けないから妙に相性がよくないのかも知れないが−−冗談みたいだがCCCDじゃなくても聴けないのがあるし)のはスタインウェイが古いからなのか耳がおかしくなってるか、そういう録音なのか、いろいろ。
と、取り留めもなく書いているが、最初のパラパラした部分が終ってレントになって遠く離れた7度から4度が強調されてペダルでDを残しているからトニカなんだけど実際には(なんて呼ぶのか知らない。3度上の短三和音)が出てくるとこ(結局は7度なわけだ)の響きとそれに続く4度上がって4度下がって2度ずつ下がって行くところ、つまりドファドシッラの部分、こういう組み立てはすごく好きだ。最後のッラの部分とか。全然違うんだがスクリアビンのダンスラングィッドあたりを彷彿させる、1914年という絶妙な時期−最初のヨーロッパの死の始まりなわけだし−のきれいな曲で、ああ、そうか皇后なんておいらとは全然共通点は無いようだが、何か1曲でこういうのを弾くのか、と思ってみたり。
明らかにニ長調なのに主音を残して7度の上の3音を強調するから長調なのか短調なのか曖昧なままに進む。それが幽玄な感じを出す。こういうのを紋切り型で白夜のようなとか言ったりするんだが、実際にはまったくそうは感じない。
とまあ、樅の木は素晴らしい。聴いても弾いても良いからこういう曲を知りえたことは嬉しいことだ。ありがとう。
で、その直前の白樺がなんでこんなに弾むような感じなんだろうと不思議だったのだが、舘野泉の解説のおかげでちょっとはわかったようだ。
もし白樺がなかったとしたら北欧の自然はどんなに寒々と暗く耐えがたいことだろう。白樺のない黒々とした冬の森は(後略)
そうなのか。どちらかというと寒々とした感じでこれっぽっちもあの出だしのような受け止め方はできないが、北欧では話が違うのか。すると例えばロシア人の白樺というのも、おいらが感じる白樺とは全然別のものなんだろうな。とかいろいろ知ることが多いな。
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