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うー、すばらしかった。時代の描き方の集大成というか。
特に60年代がやっぱりすばらしい。可能性としてはホウシャオシェンがその時代に成人したから一番感覚がしっくり来ていることか、またはこっちの記憶のルーツがあの時代だからしっくり来るということもありえる。
でも、それにしても、たとえば服の風に対する動き、色、船の上のポーズとそのシルエットといった演出に依存している部分について考えると、それだけじゃない気がする。
あの時代の服の風合いが、適当なぷらぷら加減が、映画にマッチするのかも知れない。
塀の向こうに突き立つ地名の看板、行く先々で次の行き先を告げられる流れ、道路の線の動きが無いロードムービー。抜群だ。
で、次に現在が初めて本当にしっくり見られた。ナイルの娘の暗いばかりでごちゃごちゃしていた感じ(で、内容はさーぱーり忘れた)に始まって紆余曲折があってミレニアムマンボで光の使い方が時代に追いついたのかな、という感じの先に、こう来るのか。台湾ゴスかぁ。これもバイクに乗る人間の服のシルエットがまず美しく、風を撮るのが本当にうまいと感じる。思わせぶりにいくらでもできるのに、そうせずに、ただそこにあるものをそこにあるように撮るってのは難しいだろうなぁとか思いながらも、そこに居て傍観しているような複雑な味わい。まさに映画だ、満足した。
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