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ロイヤルコペンハーゲン(というような名前の)バレエ団のナポリを観に上野。
最悪の音楽。同じ凡庸なメロディーが管弦楽の彩も作らずに延々と単調に繰り返されるだけ。序曲の時点でうんざりして、そのまま寝てしまった。
幕間で子どもからえらく面白いのにばかじゃないかとか言われて、音楽を無視してまじめに観ることにする。
おもしろい。くだらないということもできるのだが、早変わりで海の精と村娘を行ったり来たり。桃太郎の話のような。というか、なんで貢物をもらえるんだか。貢物をやったから行かないでくれというのを無視したということなのかな。
で、第3幕。あいかわらず、見よ音楽がゴミのようだ。
しかし、踊りは変化があるし、パントマイムもおもしろい。
修道士の背の高さと漁師の背の低さの絶妙のバランス。水色の友人がやってくるところ、青い友人の技巧的なばたばたした踊り。
ダイナミックでいきいきとした感じで、なるほど、踊りを観ていれば退屈はしない。ちょっとでも音楽に耳を傾けるとその瞬間に死の退屈が待っているけど。
というわけで、実にバランスが悪い作品で、滅多に上演されないのもしょうがないな。2幕目のぶっ飛び具合ならシルヴィアでOK。
とか文句を垂れたわりには、ロビーで売っていたので買ってしまった。が、20年前の映像なので振付師含めてまったく重ならない。早変わりのためのお立ち台が無いのにちょっとがっかり。伝統芸能でもちゃんと進化しているんだな。
(ようは、バヤディールのインド、蝶々夫人の日本、ジャングル大帝のアフリカ、ラボエームのパリという勘違いを含む異国情緒のバレエということ)
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