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蝶々夫人を聴いていて、うまいなぁと思ったのは、2幕だと思うが、蝶々夫人とスズキがなんとなく蝶々夫人の解釈に納得して、安心してピンカートンの帰りを待ちましょうと歌うところ。観客はそれが希望的観測未満と知っているし、スズキも人生経験に照らしてどこか腑に落ちないものを感じているし、蝶々夫人も心の片隅で疑惑が沸き始めているのを感じている。
だから、希望に満ちた明るい歌なのに、フレーズの終わりがすべて未解決のまま取り残される。
ここを聴いて、つくづくとプッチーニの巧妙さに感心した。すごくわかりやすく、しかも美しい。
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