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さて、全然いいは「誤用は迷信」ということで、おおそうなのかと、「全然いい site:www.aozora.gr.jp」してみる。
しょっぱなが横光利一で、「お前にしても全然いいことをしたのではなからう」と否定で、次が菊池寛で「全然無視するがいい」とちょっと微妙な肯定、で、太宰治が「全然、それと反対である」と内容は否定。で坂口安吾は「全然ダメ」。このあとも坂口安吾と太宰治は否定なのだが(2人とも昭和の戦後も活動していたから比較的新しい人。ただし太宰治でも「全然あたらしく地割りの協定をやり直す必要がある」という肯定もあるし、坂口安吾にも「全然よその言葉でお談義あそばしてるだけだ」という肯定表現もある)、北原白秋が「全然開放的であった」で肯定、さすが(活躍したのは)大正人。
大正に殺された大杉栄は「全然芸術家でもなければ、又、全然人間でもない」と、眺めるとほとんど否定がくっついている。
うーん、確かに眺めるだけだとどっちでも良い感じが漂う(が、傾向としては否定が多いように見えるね)。
めりけんじゃっぷ谷穣次の「ぜんぜん新しい」はモダン文体なのでなんでもありなのであまり参考にならなそうだなぁとか。
まあみんな「全然」って言葉は全然好きなようだ。
でも、言葉は世にツレ変化するのが正しい主義者の人は、誤用ということで頑張るのが全然いいとおれは思うな。
ジェズイットを見習え |
否定は文面にあらわれるとは限らないことを認めれば,「全然」+否定という図式にあてはめることもできますね.たぶん:)
確かに、谷穣次みたいにきっぱり肯定をつなげている例は(全部見たわけではないけど見た限りは)ほとんど無いですね。むしろ、迷信と断言するほうが、少なくとも青空文庫に収録されるような文学系表現についてはあまり正しくないようにみえます。