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23日は東京国際フォーラムのホールCでレント(ブロードウェイの引っ越し公演)。
地下鉄のポスターで見かけてチケットを予約したときは、ほぼ完全満員だっただけあって、混んでる混んでる。
おれが最初にレントを知ったのが6年前だが、それから6年たってもまったく人気は衰えていないらしい(作品としては20年記念ということだ)。
映画と違って、いきなりマーク(映像作家)のモノローグから始まるし、ライフサポートの集会(吾妻ひで夫のアル中のやつに似ているが、3年前に半年後に死ぬと言われたがというような歌が出てくるくらい、こちらのほうが切実かも知れない)の途中でいきなりミミの歌(これ大好き)が始まったり、ダイナミックさでは舞台のほうが激しく、おもしろい。というか、舞台版は80分+休憩20分+60分と、映画より長尺なのだが、そんな感じがいっさいしないのは素晴らしい。
ロジャーの曲で唯一好きな栄光の一曲は悪くない。
シーズンスオブラヴは2幕の最初に入る。これはやはり抜群な歌だ(ライフサポートも良い曲だけど)。
左手に機材を積み上げてバンドが演奏する。
映画だと結構だれるのだが、疾走感が素晴らしい。なんか圧倒的な舞台じゃないか。
映画版ではカットしていたのかまったく印象に残っていないが、マークがホームレスからアーティストの偽善にはうんざりだ、1ドルくれるかい?(当然、マークは金を持っていないので上げられない)そらみろくそが、と罵倒されるところに圧倒される(この後もマークはロジャーから魂を売ったかす扱いされたりとひどい扱いだが、そういえば本家のマルチェッロも看板描きしていたなぁ)。
あまり好きではないラヴィドボエムのところもまったく退屈さがない。好きではない曲という点ではタンゴモーリーンもムームーも、舞台だとえらくおもしろい。役者(歌手)も抜群なんじゃないか? エンジェルがやたらと好青年なのが印象的。
原作と唯一同じ設定の(とおれには感じる)コリーネの低音も良い。服装の感じのせいか、やたらと若者に見えるが、いかにもむちゃくちゃなハッカー(悪い意味での)ぽくて、好感が持てる。I'll Cover Youは良い曲だな。
ロジャーは良い男だが、それにしてもYour Eyesのだめな曲加減は、サブウェイのラストギグと双璧だ。
舞台で観ていて、いろいろ気づいた点。ロジャーは自分が陽性なことをすごく気にしているのが、ミミはまったく気にしていない点で、いやそれは殺人鬼だろうと思ったが、そうでもないのかな?(現実には注射回し打ちが一番の問題だという点からかなぁ)
映画ではえらく長く感じるロジャーのサンタフェ滞在が舞台では全然無いも同じ(ほぼ、マークの語りで終わる)。
逆に映画ではほとんど気づかなかったが、親からの電話がやたらと多い(それが変化球になっていて、これまた効果的)。
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