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子供に誘われて杉並公会堂でオパキャマラードの演奏会。
カレッザという作曲家の作品がおもしろい。旋法がドビュッシーかラヴェルのようで、印象派の未知の作家だなと思っていると無調になったりする。様式としては20年代(と書くと、すでに2020の可能性があるのか)っぽい。
おもしろい。最初は3回わかりやすいメロディーが出てくるロンドのようなソナタのような微妙なやつで、第2主題というよりも、ロンドのつなぎの部分と感じたわけだが、は、無調になる。長いパウゼの後にアタッカ(なんとなく、本来はパウゼ無しに続くように感じたのだが、実際には、ちゃんと分離しているのかも知れない)で2部目が始まると速度が上がって遠くへ進んでいく。ちょっとスクリアビンの4番のような組み合わせだなとか感じるのだが、相当好きだ。
次に、アルトフルートの全音域を使うという説明が最初にあってから、マウアーという人のソネット。まあソネットという楽式があるわけではないので、セレナータみたいなものか? と思いながら聴いていると、ジャージーで、もしフルートではなくサックスだったら普通にトムスコットあたりの曲のように感じる。夜は夜でもマンハッタンの夜だな。これも悪くないというか、おもしろい。
休憩時間に、スマホをいじっていたら、隣の腰掛けている二人組の会話が聞こえてきた。
年配のほうが、なんで誰も知らない現代音楽とかで、モーツァルトとかをやらないんだ? と若いほうに言っている(再構成している)。
すると若いほうが、うーん、誰も知らないといっても、音大で管楽器やったら、普通だからなぁ。と答えた。
っていうのは、課題曲にしても授業でやる曲にしても、当たり前だけど、その楽器の技術を学ぶわけじゃないですか。実質金管のフルートが発明されたのは1858年(だと思うが聞き違い、覚え違いの可能性はある)だから、その技術を駆使する曲といえば、当然それよりも後になるし、その意味ではヴァイオリンやピアノとは違いますよ。
もちろんモーツァルトのフルート協奏曲みたいなものはあるけど、あのフルートはいまのフルートではないし、演奏して技術的におもしろいわけでもないからなぁ。フルートを聴かせるとしたら、良い選曲と思います。
なるほどなぁ、と年配者が納得するのと同じく、おれも納得した。
そういえばバスフルートのやつでも、ユーフォニアムの曲として聞いたこともない作曲家の曲をやっていたけど、同じことなのだろう。
すると、もしかして、ベートーヴェンの時代、あるいは後になってリストの時代には、なんであいつは、自作の妙な曲ばかり演奏するんだ? ハイドンやモーツァルトが聴きたいのにな。とか言い出すやつがいて、それに対していやいやピアノフォルテの音を生かし切るには、今の作品が必要なんですよ。だって、こないだ改良されたんだから、とかいうような会話があったのかも知れない。
おもしろかった。
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