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夕飯を食べながらだいたい2ページずつ読んでいた『虫や鳥が見ている世界―紫外線写真が明かす生存戦略』をようやく読了。
書店で帯にカラスは黒くなかった? とか書いてあって、カラー写真で紫外線が見えないから単に黒に見えているだけで実は個体差のある模様があるとか書いてある。で、それを示すために紫外線写真というのが添えられている。
えらくおもしろいので買って読んだのだった。
普通のカメラから紫外線フィルターを外したりいろいろして、紫外線を撮影できるようにしたカメラ片手に筆者(生物学者らしい)はボルネオの崖を3メートル滑り落ちたりしながらさまざまな生き物の紫外線写真を撮りまくって、解説を加えていく。えらくおもしろい。
学問はどう役に立つかが相当問われるから(少なくとも時間と労力)わかっていないことが多過ぎて、そういうものは良くわからないとしていて好感が持てるが、おおざっぱには鳥や昆虫の一部は紫外線が可視光に含まれるので、人間には感知できない色鮮やかに敵から身を守ったり、求愛したり、威嚇したり、餌を探したり、いろいろしている(確定しているものもあれば、多分そうだろうまでいろいろ)。
特におもしろかったのは、メラニン色素がそうだが、色というのは色素によって太陽光から吸収しないものを反射しているのだと思ったら、それだけではなく、特に昆虫や鳥の羽毛は、構成している物質の組み合わせで反射させて色を出していて、それを構造色というのだということで、色素の問題は退色することだが、構造色は構造が維持されている限りは退色しない、だから玉虫厨子は今でも玉虫色に光っていると書いてあって、おおなるほどそうだったのかと目からうろこが落ちた。落ちても紫外光は見えないけど。
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