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日々の破片

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2022-06-28

_ ガランチャのリサイタル

すみだトリフォニーホールでガランチャ。このホールは初めてだが、実に調度が美しい。始まると音も良くて(弱い音が弱く、強い音は強く聞こえるし、残響も適度だ)気に入った。しかも椅子が疲れない。

2部構成で1部はドイツ・フランスの欧州ど真ん中で、2部がロシアとスペインという西南と東北の欧州辺境。

ドイツはブラームスで1曲目は拍子抜けするほどさらさらとした曲で喉を温めるのにちょうど良いのかなぁとか考えながら聴く。で、2曲目、3曲目と進み、やはりブラームスはそれほど好みではないなぁとか考えていたら4曲目が美しい。というかガランチャは素晴らしい。震わせる声ではなく細かな音がたくさん乗っているからだ。さらに5曲目は曲そのもの含めて抜群。でも6曲目は最後盛り上がるがやはりそれほど好みではないと考えているうちに、サビが独特な作曲家でベルリオーズ登場。名曲だ。

で、月の光が伴奏者のソロで、比較的速めのテンポだが美しい。というかドビュッシーは好きだ。

で、サムソンとデリラのあなたの声がになる。特に最後のサムソン、サムソンのあたりはぞくぞくするほど美しい。

最後のサバの女王はたぶん初めて聴くがこれも良い。

休憩をはさんでチャイコフスキーのオルレアンの乙女で、これは初耳。全然チャイコフスキー的ではない不思議な曲。

ラフマニノフから3曲、1曲目はまあラフマニノフかなぁくらいなのだが、2曲目がいかにもラフマニノフな半音を使った上昇形が2回続くやつですごく好きだ。3曲目も悪くない。

伴奏者のソロでグラナドスがあって、名前忘れたタイプの曲が3曲。最後の曲はCDで聴いたことがあるが、すごいテンポで盛り上げた。

アンコールはハバネラから始まる。最後、伸ばしに伸ばしてすごい。続いてオミオバンビーノカロで悪くない。3曲目は良くわからなかったが(フェイバリットらしい)ラフマニノフ。続いてマスカーニのサントゥッツァのアリア。ソプラノの曲じゃないか? と思ったらメゾでも歌えるらしいというか歌っていた(そういえばオミオバンビーノカロもソプラノの曲だった)。しかも考えたら持っているCDの中にも入っている。本来はそこで終わりらしかったが、その後、軽い曲を1つ、続いてやはり軽めの曲で本当におしまい。

伴奏者よりも微妙にガランチャのほうが背が高いがいずれにしてもそれなりに長身の二人に対してピアノの譜面めくりの人がやたらと小柄(少なくともガランチャに比べれば小柄)で、彼女が出てくるとアンコールで歌うということで拍手が大きくなるのがちょっとおもしろかった。

それにしてもブラームスのような大して好きでもない作曲家の聴いたことのない曲でも見事に聴かせてくれるのだからとんでもなくすごい歌手だとあらためて思った。本当に良いものを聴けた。

Revive(エリーナ・ガランチャ & バレンシア自治州管弦楽団 & ロベルト・アバド)


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