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日々の破片

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2024-07-28

_ びわ湖のばらの騎士

友人の家でびわ湖のばらの騎士の録画を観る。

といっても最後の三重唱の手前から。

森谷はじめ歌手は見事だが、観ていて実に気持ち悪い。

普通に考えても、普通に日本人が歌っているのに、なぜここまでクラシック演出にするのだろうか? 背景、衣装、舞台装置、すべてがクラシック様式なのに歌っているのが日本人(だと思うが少なくとも東洋人)なのだ。子供の学芸会か、4流の宝塚(宝塚の本物はどんなコスプレでも着こなし見栄えを考えて設計してあるので、違う)という感じで見ていて気分悪い。気分が悪いのは志が低すぎて不愉快だからだ。

これおかしいだろう?

本家のウィーンや近場のルツェルンがコスプレやめてモダン演出しているのに、何が悲しくてこれっぽっちも似合わないコスプレしているのだ。

志が低いというのはこのことだ。オケは抜群(1960年代のイタリア歌劇でのNHKとか考えると60年で西欧300年に追いついて平均レベルであれば追い越してさえいる)、指揮も抜群(阪という人。むちゃくちゃリズム感が良くて前奏曲が始まったとたんにこりゃ凄いと思った)、歌手も実に立派なのに、演出、衣装、舞台設計がすべてをぶち壊している。まだ、ホモキの白ければOK演出のほうが1億倍ましだ。

可能性として(たまにアマゾンのDVD評とかで見かける)頭が悪い観客がクラシック演出でなければチケットが売れないからこうしたんだ、というのもあり得るが、その場合は志が低い観客へ迎合しているわけでこれまた志が低い。いやいや衣装代が安くつくというのは嘘っぱちで、であれば50年前のシェロー演出以来、ジーンズTシャツも全然ありになっているのだからコスチューム代は演出の能力でどうにでもできる話だ。

というわけで、せっかくの良い演奏が実に台無しだった。


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