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東京バレエ団の公演を観に上野。
マラーホフの振り付けで、しかもカラボスをマラーホフが演じるというので、妙に楽しみなのは、思い起こせば、マラーホフがベルリンを率いてベジャールのリングをやったのがやたらと印象的で、おもしろく、不思議で、バレエの魅力を理解したような気になったからだ。
で、昨日と明日は、デジレ(かな、ディジエじゃサイボーズだし)王子をマラーホフなのだが、今日は、マラーホフはカラボスで、デジレ王子は後藤(この人、前にドンキホーテのバジルを観たな。なんとも明るい印象で、楽しい踊りを踊る人なので僕は好きだ)、オーロラ姫が代役ででてきた妙にかわいい感じの人。かわいいのだが、脚もきれいに伸びるのだが、どうにも非現実的な印象を受けて、あまり好みではなかった。多分、オーロラ姫の踊りって、拷問のような片足立ちが多いので、観ていて痛々しい感じになるからかも。
マラーホフの振り付けって、おそらく手の動きに特徴があるように思える。手元にはルグリのDVDがあるが(ヌレエフ版)、それとの比較なので、実際にそうなのだろう。そのせいで、踊りに不思議な色彩感のようなものが表れるように感じる。プロローグの妖精の踊りのいくつかや、2幕の王子のところとか。2幕はヌレエフ版とまったく異なり、王子が一人でリラの精に導かれるままにオーロラ姫の幻を追っかける。で、カラボスとの戦いでは、もっぱらリラの精の後ろに隠れて逃げ回るという妙な演出。これは、妙だなぁ。本人が王子を踊ると、そこに何かのマジックが観られるのかも知れないので、次があるのなら、そちらも観てみたい。
で、カラボスが出てくるたびに、おもしろい。こういうのは不思議なもので、マラーホフが演じているから異様におもしろいのか、それとも異様におもしろいものを優れた演者がやっていてそれがマラーホフなのか、どちらが先に来るのだろうか(と、今読んでいるブランドとデザインの本のようなことを考える)。で、やはり手の動きが不思議だ。
白猫、クロネコの演出はおもしろい。ツンデレものかと思わせて、後半、オスネコがポコポコ頭を叩くように変わる。なんのことだろう?
青い鳥と、頭に鳥を乗せた王女は、良く飛んだと思う。
音楽では、シンデレラのパートがすごく印象的で(踊りも良かったし)、どこかで聴いたことがあるのだが思い出せない。思い出せないままに、今となってはどのような曲だったか忘れてしまった。でも聴けば思い出せる。
音楽といえば、序曲は楽しいし、1幕の最初の有名な曲はやはり名曲だし、リラの精のあたりではライトモティーフみたいな感じだったり、チャイコフスキーの才能はやはり特別だ。
赤頭巾は、入場と退場(あと1箇所だけ、真ん中あたり)だけで、単に、入場時の狼のストールを見せるためだけの存在だったのだろうか。
「眠れる森の美女」プロローグ付3幕 [DVD](パリ・オペラ座バレエ)
(もちろん悪くはまったくなく、むしろデュポンはうまいのだが、シンデレラのパートが無い)
あ、カラボスの雰囲気作りが何かで観たような、と思ったのは、ガルチさんか(多分、まったく関係なく、おれが勝手に連想しただけだろうけど)。
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