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新国立劇場でトスカ。ある意味、一番の興味は妻屋のアンジェロッティなわけだが(正しい意味での役不足ってやつだ)もちろん堂々たるものだったがわけわからん。
ベニーニの指揮っぷりは期待通りの良いものだったし、イリンカイのカバラドッシも良かった。エルコーリーのトスカは最初どうも弱いのかなぁとか思っていたら全然そんなことないし、2幕最後の刺殺してから蝋燭を立てるまでの一連の動作(トスカは全体、妙に演劇的なのだ)も実に自然で根は敬虔なトスカそのものだった。ただ観ていて思ったが、新国立劇場版は演出/舞台装置/衣装全部そろってトスカっぽ過ぎる。そのため、誰が(ということはないわけだが、新国立劇場が招聘する水準であれば)演じても平均的に良いトスカになってしまって、あまり個々の歌手の個性みたいなものが見えない気がする。
意外だったのがスカルピアの青山で、実にスカルピアだった。印象として日本の低音男性歌手は声量がなくて出ると負けみたいな気がしていたのだが、高田や鉄平とか圧倒的な歌手がここ10年くらい出まくっていてなんか凄いことだ。
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